不幸の方程式

2最悪のコンビにならないために

ここで一旦、話を依存症ギャンブラーの妻から家族側に存在する問題について戻させていただこう。なぜこうも、本人の克服が家族側の対応によって阻害されるかという話である。

以前の記事で私は次のように書いたことがある。

>イネイブラーがいる場合、まず間違いなく依存者は克服することができません。 イネイブラーと依存者のコンビは、永遠にギャンブル依存症から抜け出せない「不幸の方程式」なのです。と。

イネイブラーという言葉が適切かどうかの判断は、あなたにお任せするとして、家族と本人の関係に不幸の方程式があることは確かである。不幸の方程式とは、一言でいえば「甘やかせる家族と甘える本人」とのコンビだといって良い。

逆にいえば、本人のギャンブル依存症を何とかしたいと思うのであれば、不幸の方程式を解除してしまう必要がある。

最悪のコンビを 解消するためには

そういった関係を断つのは、簡単に思えるかも知れない。何も知らない人であれば、こう言うかもしれない。「放っておけばいいじゃないですか」と。だが、現実はそう簡単に済ませられるものではない。

家族が本人を見捨てられない理由はいくつか存在する。例えば、小さなお子さんが何名か居られる家庭のことを想像してみればいいだろう。

子供が成長する過程で、母親は勿論、父親も無くてはならない存在である。我々が想像している以上に子供の成長という物はナイーブであって、その過程で某かの問題が家庭内に存在する場合、後々になってその子が満足に社会生活を営めなくなってしまう大きな原因になってしまうのである。実際、育つ環境に問題があってACになったり親の依存を引き継いでしまったりというケースが多い。

母子家庭になることで、そういった好ましくない環境が備わる可能性は大きい。だが、そういった危険を覚悟してでも、決断しなければならないときがある。

不幸の方程式を解除するために必要なこと それは、自分の欲求や欲望を優先するのでは無く 自分にとって、そして家族にとって今現在一番何が必要なのかを考えるという勇気である(続く)

奥井 隆
奥井 隆
2 市民団体 ギャンブル依存症克服支援サイトSAGS 代表
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