この記事を読まれている方の大半が、ご自分の依存について悩んでおられる方か、もしくは依存者のご家族だと思う。
そしてこういったWEB上の記事にまで到達されたということは、少なからず知識をお持ちであるか、もしくは大きな悩みを抱えた経験がお有りかとお察しする。
おそらくだが、依存のことについてある程度の知識はお持ちだろう。
・脳内物質が原因で依存する
・ギャンブル依存症は大きな社会問題だ
それ以外にも、
・ギャンブル依存症は心の病気である
・ギャンブル依存症は完治しない
・依存した限り、一生ギャンブルをしてはならない
・問題解決の第一歩は自覚である
この程度のことは既に知っておられるかもしれない。脳内物質が全ての原因かどうかは別として、これまで書いたことは知識として殆ど鉄板ともいえることだ。
知らなかった! では済まされない
さて… ここまで書いてきたが、「ん!?」とクビを傾げられた方もおられたかもしれない。これらのことは単なる知識であって、いわゆる「情報」に過ぎない。
「何だ! そんなことなら知っているよ。で、これからどうすれば良いんだ?」と、フランス映画のラストシーンのごとき物足りなさと欲求不満を覚えられた方も居られたかも知れない。
ハッキリ言って、その程度のことなら誰でも知っているし、あなただってそんな知識を得るためにここに居られるわけでもないだろう。お考えのとおり、そんな知識を仕入れたところで大して役には立たない。だが世間一般で得られる情報など、せいぜいその程度である。
「これから自分は、どのようにして生活を改善していくべきなのか」ということこそが一番の命題である。実際、ここを踏み外すと、断ギャンブル1年過ぎてスリップ・再発し、またまた人生破綻させてしまうことになる。
このことは、「いやー、知りませんでした」では済まされないことだ。では、そういったことを知るためにすべきこととは何なのか?
ルポなど要らない 必要なのはライブなのだ
例えばテレビなどのメディアで、「パチンコ依存症問題」などという番組があったとしても、それは単に取材した人の主観に基づいた番組であってルポに過ぎない。
確かにルポというものも時と場合によっては必要だが、情報を仕入れるだけでは、それを自らの活動に変えることができない。ここで必要な物が何かというと、ひとことで言えばライブなのである。
掲示板でスリップ報告する方を拝見して感じるが、日頃からカウント日数の報告や書き込みをサボっている方が多い。特に断ギャンブル1年を過ぎて出戻ってこられる方の大半は、そういった傾向が強い。
結論から申し上げると、そういった方々に不足しているのは「同じ悩みを持つ人たちとの交流」である。そういった方たちは、自分一人で問題解決できると考えて人間関係を手抜きする。
だから掲示板に書き込みをしないし、仲間達と交流しようともしない。だから仲間達の成功談とも失敗談とも縁が無く、自分の方法が一番と過信してしまうのである。
ここで一つ申し上げるならば、失敗するのも成功する為の方法の一つなのだが、仲間の失敗から学ぶのも成功するための方法となり得ることである。
ではどちらの方法が得策かと考えるならば、誰だって後者と考えて当然だろう。
ギャンブル依存症を克服するためには、「すべきこと」と同じく「してはならないこと」も存在する。ライブの場に居ることで、傍観者は成功例も失敗例も見ることができるのである。(続く)