ところがどっこい、「空パチ」どころか「禁パチ」さえ叶わぬ方がわんさといらっしゃる。私自身も辛酸をなめてきた部類である。だからそういった方たちに、「私もそうでしたが、最初は誰だって我慢からですよ」とお話しすることが多い。
我慢から克服への過程
我慢することから断ギャンブルは始まるのである。やがて我慢は諦めへと代わっていく。諦め続けることで、やらないことが日常になっていく。
それが1年続けば、その時点で一生やめるための基礎は全て出そろったといってよい。なぜなら、ギャンブルの無い生活環境と生活習慣が既に出来つつあるからだ。問題になるのは、仲間達と交わらないにもかかわらずそこまで到達した人たちである。
まず間違いないと思うが、断ギャンブルする過程で多くの仲間達と過ごした人は挫折しにくい。なぜなら、そういった人たちはライブを多く経験してきているからである。
それと同時に、困ったときにアドバイスを貰える仲間が居るというのは、何よりも心強いことなのだ。それが無いというのはつらい。
ロングヒッターでスベりやすい人の特徴
1年以上断ギャンブルを続けていてアッサリとスベり、再発したりリバウンドしたりする人が居られる。
そういった方の特徴として多いのが、次のような物だ。
・仲間達との交わりが少ない
・本当の底を経験していない
・自分だけ特別と考えている
・大きなストレスに見舞われた
これらのことを簡単に言い表すならば、「孤独で高慢ちきで懲りた経験が無いヤローは、ちょっと嫌な目に遭っただけでスベる」となる。誰だって、少しは身に覚えがあるのではないかな?
というか人間なんて、あまり他の人の言うことをきかないものなんだ。私だってそうだった。
無知のリスクとは
そして意外と多いのが、「無知のリスク」である。無知のリスクとは、「依存症についての知識をちゃんと会得していないにもかかわらず、たまたま何かがきっかけになってギャンブルを中断している」というケースである。こういったのが、正直なところ一番危ない。マインドに時限爆弾がセットされているに等しい。
こういった場合の「中断しているきっかけ」として多いのが、パチンコ店が少ないところへの転居や出産、転職などといった生活環境の変化である。たとえ断ギャンブルが3年以上続いていたとしても、克服とは決して言えないだろう。
それは単なる、「ギャンブルの中断」に過ぎないのである。しかも、その生活環境というのも、決してその人が自らの意思で変えたというわけでもない。
このあたり、克服とどこが違うかについては、既に書き尽くしたと思うので割愛させていただく。
では、「たまたまがきっかけの中断」を克服に変えるためにはどうすればよいのか? それは、無知な状態から有効な方法で知識を吸収していけばよいのである。心の時限爆弾を取り外すには、それしか方法がない。
今回のシリーズは少し長くなってしまうが、あと2回くらいで終わらせたい。最後の回は復習として、「おさらい」を予定している。(続く)