今日は少し、ボクの幼少期のことを書いてみたい。正直なところ、ボクのような人間がなぜ誕生したのかという素朴な疑問が今もあるのだ。
生きている限り、全ての人が仏のような人生を送っているわけではない。そんなことは百も承知である。ただ、幼年期に「何か」を踏み外すと、後々大きな失敗を繰り返すことだけは、これまで生きてきて痛感する。
ボクの場合、その踏み外しが「何」だったのだろうか。
孤独の原因
間違いないと思えるのは、幼年期からボクが過剰な自意識を持って生きてきたということである。もっと具体的にいうと、ボクは大人の顔色ばかりを見て育ったのである。
環境的に見てもボクの周囲は大人ばかりだった。相手が大人なのだからませるのは当然だが、子供には子供の社会とルールがある。
そういったことに無頓着な子供が辿る道は、ほぼ決まっている。そう いじめられるか友達が出来ずに孤独になるかだ。
幼少期のことを振り返ると、ボクにとって一番大きな劣等感というのは友達が出来ないということだった。学校の成績はたいしたことも無かったが、親からそれを指摘されても何とも感じなかった。
ただし自分の性格や友達の少なさや交友について指摘されると、我慢できないくらいつらかった。たとえそれが親の言葉であったとしても、許せなかった。
一方で幼少の頃からのボクは、友達が出来ないことを「生まれつき性格のかたわ」だと言われて育てられた。その過程において、常に誰かと比較して育てられた。
「○○ちゃんは、良い子で優しいらしいで。お前と、大違いやわ…」といった感じだ。
比較が生む性格の歪み
今思い返してみると、元々劣等感の塊だったボクは、少しでも自分が優位に立つと、いつしか他人を見下して生きるようになっていった。なぜそうなったのか? それは次のような理由で、そうなってきたと思えるのだ。
比較されて育つ子は、知らず知らずのうちに自らも自分を他人と比較して生きていこうとする。ボクの場合も、例外ではなかった。いわゆる過去の自分に対する自己防衛である。
そして出来の悪かったガキが、たまたま何かの拍子で成功すると、今度は途端に回りの人間と自分を比較して有頂天になって、大きな失敗をしでかす。
完全に上から目線に変貌し、今まで自分がされてきたようなことを今度は他人にしてやろうと考え始める。いってみれば、今までされてきたことに対するリベンジだ。そして、これで過去の自分は帳消しだと考えるようになる。
こんなやつはかなり鬱陶しい(うっとうしい)ガキだ。「付きあいたくねぇ」なんて誰だって、そう思うだろう。-
ゼニにとことん困って生きてきた輩がしこたま儲けると、なぜかゼニにとことん汚くなる。ゼニで人の頬を引っ叩こうとする。その理屈に少し似ているのかもしれない。
「オレは、生まれ変わったんだ! あいつらとは違う。一つ上のランクで生きる人間なんだ! 勿論、あの頃のオレではない、これからオレの人生は輝くんだ」などと考え始めるのである。
そもそもは、錯覚の積み重ね
ここで話をギャンブルのことに戻そう。最初は半信半疑で始め負けが込んだパチでも、何度か「たまたま」勝てるようになってくると、勝って当たり前のような気分になってくる。
このあたりは、かなり恐ろしい錯覚だ。実際には毎日まぐれの連続であっても、例えば
1回勝てば素直に嬉しい
2日勝てば、有頂天になる
3日勝てば、負けないような気になる
4日勝てば、自慢したくなってくる
5日連続で勝てば、誰かに指南したくなってくる
それまでの負けなど頭の中からすっ飛んでしまって、最後はプロ気取りになってしまう。ボクは何度か、ホールで爺さんと婆さんから勝つための秘伝とやらを聞かされた。
リーチがかかった瞬間に打つのをやめるとか、当たるまで打ち続けろとか、お笑いに近い内容ばかりだった。でもパチンコなんて、そんなもんなんだ。だから怖いんだよ。
実際にパチやスロにハマって、全財産を摩ったとか、無一文になったとか、そんな連中に多いのが生半可に勝った経験がある人たちだ。
生兵法はケガの元とはいうけれど、研究熱心でプライドが高いヤローほど深くハマる。
いつか確率は収束する
台のスペックを頭に叩き込め
長期的にみないと、勝ち負けは判断できない
粘らずして、結果なし
釘を読め
設定を看破しろ
ボーダー理論はウソをつかない
勉強しないと勝てない
目押しを磨け、そうすれば理論的には負けない
フットワークを生かせ
前日と縦の比較だ
釘師のクセを見抜け
横の比較はホールの特徴を掴め
ライバルに差をつけろ!
この程度のことで喰えるのなら、巷のパチ屋はプロで溢れかえるだろう。こういったできもしない格言を信用して、とことんやるヤツが最終的に大怪我をする。
パチ・スロ誌を読み漁っているあなたに、ひとこと言っておくが、パチ・スロ誌のライターなんて、彼らはただの雑誌社の記者だからね。
彼らにとってパチ・スロのことなんか、ただのテーマなんだ。責任なんて全くないんだよ。(続く)