この1週間、パチ・スロと貧困について書いています。
ここ日本では、パチンコ依存・スロット依存になったせいで家族を失ってしまう人がいます。またパチ・スロをし続けているせいで、貧しくなったり生活を破綻させてしまったりする人が多いです。
通常の場合、パチ・スロに依存した家族が一人いるだけで、その家は大きく傾きます。そして依存者をそのまま放置すれば、その家は貧困から抜け出すことができません。 パチンコ貧乏という言葉がありますが、まさにそのとおりです。
そういった劣悪な依存をもたらす割にパチ・スロという存在は身近で、いつどこに依存のスイッチが設けられているか分かりません。
そういったことが現代の日本における生活の落とし穴、つまり貧困への入り口になっているというのは既に間違いないことでしょう。
さて、今日は少し違った角度からパチ・スロについて書いてみます。貧困層がパチ・スロに興じやすいのは、パチ屋で大当りのライブが行われているからなのです。
本来 パチ・スロは庶民の遊びではない
これまで世間では、よく「パチンコは庶民の遊び」だといわれてきた。今となっては、「どこが庶民的なんだ!」と文句の一つも言いたくなるが、よくよく考えてみればパチ・スロというギャンブルは憎らしいほど庶民が手を染めやすく、また抜け出しにくい環境で営業されているのである。
そして一見親しみ易く見える環境というのものが作り出されていて、貧困層から金を奪い依存へと導く大きな原因となっている。
・メディアによる広告
・アニメや芸能人などのキャラ
・メルマガなどでの煽り
・インチキ情報誌の存在
・三店方式
それだけではない。そもそもパチ・スロというものは、とにかくハマりやすい環境とゲーム性を兼ね備えているのである。
だが基本的なレートで考えるならば、決して庶民が手を出せるギャンブルではない。
だから やめられない
パチ・スロの場合、大当たりした時の金額はあまり大きくないが、実に巧妙な仕掛け・手口で庶民の心を掴んでいる。
1.臨場感がある
ホール内では大当りする人物が身近にいるので「次は自分の番だ」という期待を持ってしまうものだ。期待度が高いギャンブルは真剣になりやすいのである。
こういったリアルさは宝くじや公営ギャンブルでは、あまり体感できない。ギャンブラーにとってホールという場所は、いつでもアツいのである。
2.そこそこの周期で 大当たりが来る
なかなか当たらないギャンブルは、プレイヤーを退屈させるものだ。ところがパチ・スロは、このあたりを上手く考えて作られている。
そもそも主催者側の意図が「長い時間をかけて搾り取ろう」だから、パチ・スロというものは、客を退屈させず長時間引っ張っておくためのゲーム性になっている。そしてスロットなどは殆どの機種で天井を設けていて、それが客に安心感を与えてのめり込ませる原因の一つになっている。
だが、必ず主催者側が儲かるように出来ているのがパチ・スロであり、ゆくゆく客は骨までしゃぶり尽くされるのである。
3. 客を夢中にさせる演出を作る
人気のあるキャラを使うのは、人気を得るための一方法である。一方でメーカーはプレミアム・リーチなどと称して、特殊な演出を取り入れて客の心を掴むのが実に上手い。勝ち負け関係なく、その演出見たさに通う人が多いというのも大きな問題である。
4.(なかなか実現しない)夢を見させる
普段は金を吸い取るだけのパチ・スロだが、時として1ヶ月分の生活費くらいのお金を得ることもある。これは主にパチスロで特殊役を引いた時などがそれにあたる。
そういった、いつ叶うか分からない夢に射幸心を煽られてプレイし続けるというのはよくある話である。
しかもそういったプレミアム役が揃うときは、何かしら派手なプレミアム演出を伴うことが多く、これを一度でも経験すれば、また一人ジャンキーが出来上がるというわけだ。
パチ屋は 大当たりのライブステージ
つまり要約するとパチ屋とは、大当たりのライブステージなのである。目の前で大当たりが実現し、プレイヤー達が歓喜し熱狂する。こういった特徴は公営ギャンブルにも宝くじにも存在しない。
ここで重要なことは、いかなる演出やゲームを経ても「配当は 主催者側の意図通り 全ての諸経費と利潤を差し引かれたうえで支払われる」ということである。つまり一度や二度はよい目をしても、いつかはボロボロにヤラれるということだ。
今日はついてなかったとか、時間がなかったからとか、我々は別段そういった理由で金を失うわけではない。勝ちも負けもひっくるめて、ちゃんと主催者側の意図通りに金を支払うシステムになっているのある。
パチ・スロの還元率は8割くらいだとよく言われる。もしもその通りだとすれば、投資額と配当額の差(およそ2割)だけで、我々はここまで生活を脅かされるほどのお金を失ってしまうのである。
貧困と破綻への近道、それがパチ・スロなのである。(続く)