・新しいことは 一朝一夕に始まらない
ギャンブル依存症問題を解決するために必要なことは、いろいろとあるように思います。特に金銭管理は大切ですが、その他に重要なこととして「ギャンブル以外のことをする」というものがあります。このことを「ギャンブルから、自分自身を取り戻す」と表現する方もいらっしゃいます。
ギャンブルというのは遊びです。ですから、それ自体何かを生み出すというもので無く、逆にお金を費やすものなのです。しかもパチ・スロの場合、莫大な時間を費やすのでいろいろな面で生活に支障をきたすことになります。
そういったことを考えると、ギャンブル以外のことをすることで得られる効果は金銭問題の解決ばかりでなく、奪い去られた時間を呼び戻すことでもあります。ある意味ギャンブル以外のことをできるようになれば、ギャンブル依存症問題は殆ど解決しているとさえいえます。
ところが、趣味を見つけるにせよ新たなスポーツに挑戦するにせよ、なかなか一朝一夕とはいきません。人間というものは、とかく新しいことを始めるのが苦手な生き物なのです。
・交友の再構築から 復元は始まる
ここで、あなたがギャンブルに依存する前のことを少し思い出してみてください。きっと余暇を過ごす方法として、「ギャンブル以外の何か」があったはずです。
私自身のことで申し訳ありませんが、私はパチ・スロに依存する前はけっこういろいろなスポーツをしていました。趣味としては、将棋と釣り、観賞魚の飼育などが好きでした。
- テニス
- ゴルフ
- スキー
- 釣り
- 将棋
- 観賞魚飼育
- 読書
書いてみるとこうなりますが、これらの中で自分から進んで始めたものは一つもありません。全てが、誰かに誘われて始めたことなのです。強いて言うならば、読書くらいでしょうか。
逆にいうならば、これらのことは「誰かに誘われなかったら、やっていなかった可能性が高い」とさえいえます。ここで私が言いたいのは何か? それは、「余暇を過ごすための手段は、交友の中から生まれやすい」ということなのです。
私はこれまでにいろいろな方から、趣味やスポーツをやり始めたきっかけについて聞き取りを行ってまいりました。確かに自分自身で興味を持ち進んで始められた方もいらっしゃるのですが、友人・知人・家族から勧められて始めたという方が大半でした。
これまでの交友を再構築することは、あなたにとって「忘れ去っていた趣味やスポーツと、再び出会うきっかけ」になる可能性があります。新しい出会いは、新しい趣味を呼び込んでくれるかもしれないのです。
ただし、誰かに誘われてギャンブルに手を染めた方も多いことでしょう。「ギャンブル関係の交友は断ってしまう。今後作らない」ということは肝に銘じておいてください。(続く)