家族がすべき「魔法の質問」とは

2家族にとって 最初の分岐点

昨日の記事で私は、飼育願望という言葉を用いた。おそらくお怒りの方も多く居られることと思う。こういった記事に対する批判ついては、これまでよりある程度覚悟してきたことではある。だが、「少しは役に立つ情報はないの!?」というリクエストに対して、できる限りお応えする用意はある。

そういったことを考慮し、今日は否認のことから少し離れて、実務的な話を少しばかりさせていただこうと思う。それは、家族にとって最も悩ましく、また多くの方々が悩んでおられる「依存症ギャンブラーに対する金銭管理」についてである。

ご家族の相談の中で一番多い質問は、やはり本人の金銭管理についてである。

・私が管理すべきでしょうか?
・どこまで管理したら良いのでしょうか?

相談者さんからは、こういった質問が圧倒的に多い。

だが、実はそういった質問の答えは、パートナーがどのような状態であるかにより殆ど決まっているのだ。それは家族にとっての最初の分岐点ともいえる。では本人がどういった状態なのか知るためには、どうすれば良いのだろう?

家族がすべき「魔法の質問」とは

もしもあなたが家族だったとしたら、本人にこう問われれば良い。

「これから、一切の金銭管理を私がします。それで、いいですか」と。

実は、本人がそれを受け入れるかどうかで、本人の状況が一目瞭然なのである。

結論から申し上げるならば、「YES」ならば解決が近いが、「NO」であるならば、先々大変である。これは私が家族の相談者さんに対し、いつもお話ししていることである。

やるならばとことん やら(やれ)ないならば無視

本人の金銭管理に関しては、「やるならばとことん」「拒むならば 無視」が原則である。

なぜそうなるのかについてだが、本人の状態によって家族として最善のかかわり方があるということだ。

依存症ギャンブラーとの付き合いは、想像を絶するぐらい過酷で心身共に疲れるものである。しかも長期戦になる場合が多く、ある意味先が見えない戦いと言ってもよい。

そのような状況の中で、いかに負担を減らして効果的に接していくかということは、極めて重要なことである。

だがそういった提案を頑としてはねつけ、耳を貸そうとしない方がいらっしゃる。当然ながらそういった方は、パートナーとの関係をますます悪化させて疲れ果て、路頭に迷ってしまいがちだ。(続く)

奥井 隆
奥井 隆
2 市民団体 ギャンブル依存症克服支援サイトSAGS 代表
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