COVID-19で変わる我々の生き方
「これによる混乱は生じると思うが、一方で、いま混乱は生じている。こういう時にしか社会って変わらないんじゃないかとも思うし、その一つとして、ありではないか」(小池東京都知事)
ボクは以前から、「コロナウイルスは、人間の本能が人間を淘汰してより強い個体を生み出すために、自らの遺伝子を変異させ世に出した」と考えている。
ここ2日間くらいの間に、世界中でいろいろな動きがあった。ひとことで言えば、滅亡に向かう国と進歩に向かう国がはっきりしてきたということだ。
RO(再生産率)に基づいたドイツの取り組み
例えば、事実上COVID-19の封じ込めに成功したといえるドイツは、ロックダウンを終わらせ慎重に慎重を期して経済活動の再開に取り組み始めた。
メルケル首相の、感染率に関する話が興味深かった。ここで使われている感染率とは、RO(一人の患者が感染させる人数の割合)である。
メルケル首相の話によれば、ドイツはROが1.2になれば7月に1.3になれば6月に医療崩壊が起こるという。以下、METROニュースより引用抜粋
>She warned hospitals could reach capacity by July if the infection rate rose to 1.2 – where one person in a group of five infects two and the rest one. The Chancellor said a rate of 1.3 would bring that breaking point to June.
崩壊に向かう国々
一方で南アフリカ共和国のように、暴動が頻発しウイルス対策どころで無くなってきている国もある。ブラジルは大統領自らマスクをせずに、「コロナは風邪だ」などと群衆を鼓舞し、経済優先の取り組みを始めた。
医療など各分野で世界の先頭を走るアメリカだって、感染のリスクよりも経済の回復を主張してノーマスクでデモを起こす人々が増えつつあるのだ。
そういった国が今後どうなっていくかについては、想像に難くない。だがウイルスのミッションは間違いなく遂行されつつある。では、ウイルスのミッションとは何だろう。
COVID-19からのメッセージ
ウイルスから人間に対するメッセージは主に2つだろう。
「増えすぎるな」と「これから考えて生活せよ」ということである。
一つ目は文字通り、増えすぎた人類の淘汰である。今年2月、まだコロナウイルスが蔓延する以前に初版本が発効された「EMPTY PLANET]という本がある。奇しくもCOVID-19が蔓延する前に書かれたというのが興味深い。
今世界人口は2015年現在で73億人と言われている。2020年現在では、80億人近くと推定される。
以前の記事でも書いたが、まさに人類は今、地球上の食べ物を自分たちだけで全て食べ尽くしそして自らも存亡の危機に立たされているといえるだろう。
二つ目は、人間の生き方に対する警鐘である。ここで問題となっている生き方とは、食料を生産する人たちが社会的な底辺におり、生産にかかわっていない人たちの生活を支え続けているという事実である。
通勤ラッシュは、無駄なエネルギーだった
人間が生きていくために絶対必要な食料は、生活に恵まれていない人々が生産しているケースが多い。それに比べ、生きるために必ずしも必要ではないサービス提供者に富裕層が多いというジレンマが生じている。
ウイルスからのメッセージの言い方を変えるならば、「人間は個体数を絞り、頭を使いながら生きる道を探せ」ということだろう。
その証拠に今回のコロナ禍で人の移動が制限され、テレワークが進んだ。これは通勤ラッシュなど、これまでいかに無駄なことにエネルギーが使われてきたかというエビデンスとも言えよう。
今日本では少子高齢化が懸念されているが、実際のところ歯止めがかかっていない。ここは、団塊世代の年金負担などといったいわば目先のことを心配するよりも、もっとグローバルなことに目を向ける必要があるのではないだろうか?
そういった意味でベーシックインカム制度の導入は、日本における新しい問題解決法になるのではないだろうか。(奥井 隆)