チャージする勇気を持てるかどうかで
ここで恥ずかしながら、私の体験談を一つさせていただきたい。私は若い頃、1週間を食パン1斤で過ごさなければならないという、いわゆる「赤貧生活」を経験している。
当時住んでいたのは茨城県だったが、ポーカー賭博で擦り、給料日までに一銭の金も無くなったのである。今思い出しても酷い状況で、当時つきあっていた彼女にパラサイト(寄生)し、友人達から借金しまくり、全ての金を使い果たしたのが給料日の1週間前だった。
手持ちしていた金を全て賭博につぎ込み、所有していた車を手放すことさえ考えた。偶然、アパートに残っていたのがたまたま買ってあった食パン1斤。それを囓りながら、1週間生き延びた。
給料日が来て、やれやれと思って「もうバクチはしない。これだけで生活しよう」と銀行で3万円下ろしてきても、ものの2日ほどで擦ってしまう。また土浦まで行って銀行で下ろす。そんな生活を繰り返したことがある。
当時私は、茨城県の農村部に出向していた。そういった関係で都市銀行の口座に振り込まれる給料は、一度にそこそこのお金を下ろして自分で保管する必要があり、そういった環境が一層悲惨な状況を生み出したのである。
経験談はこの程度にして、もしも当時、今ぐらいフィンテックが普及していたならば、もっといろいろと方法があったように感じる。
電子マネーカード3枚くらいに1万円ずつチャージし、キャッシュカードと通帳は彼女に預けることができただろう。
そこで必要となったのは、電子マネーカードに生活費分のお金をチャージする勇気を持てたかどうかくらいである。そして、おそらく現代においても、そういった「やるかやらないか}という部分でスタックする人が多いように感じる。
私個人の考えだが、生活費として電子マネーカードにチャージする勇気を持てる人であれば、問題は半分程度解決している。断じて言うが、現代はギャンブル依存症を克服しやすい時代だといえる。たとえ一人暮らしであっても、考え方一つで問題を解決できるのだ。
パラサイトしたくなければ
さて私は今現在悩まれているあなたに、もうひとこと申し上げたいことがある。
それは、ギャンブルをしなくなって借金が無くなり、普通に生活できるようになるのが終点ではないということだ。このあたり、大切なことを忘れられている方が多い。
社会人として自立するということは、金銭的にも人間関係的にも自立できなければならない。もう一ついえば、断ギャンブルはスリップしなくても「お金と人間関係でスリップ」するのはよくないということである。
ここでお金に関していうならば、何とかして貯金するということが重要になってくる。貯金が無ければ生活が安定しないし本当の金銭感覚が戻らない。結婚も遠のくだろうし、つきあっているパートナーにパラサイトする可能性が高くなる。
例え一人暮らしであっても、貯金することを前提とした金銭管理を行うことが必要だ。なぜならギャンブルしないことが最終目標ではないからである。あなたの目的は幸せに生きていくことではないだろうか?
次のサイトは、そのあたりのことを上手くまとめてくれている。最後にあなたに紹介して、今回の投稿を終えることにする。
奥井 隆(AFP ファイナンシャルプランナー)