あなたの復元計画②

2・行動しない人は 失敗から学ぶことさえできない

今回は少し本題から外れますが、最初にご注意として「問題を解決できない鉄板パターン3つ」を紹介させていただきましょう。

  • 知識だけ仕入れ 安心してしまう
  • ちゃんと最後までやらない
  • 自分の都合に合わせて 良いところ取りする

知識を仕入れると、それだけで安心してしまう方が多いようです。書店に行き、「この本はいいな!」と思って買い求め、本棚に眠らせてしまうのと少し似たパターンかもしれません。

ギャンブル依存症の克服は、読んで知識を得るだけでなく実行することが大切です。しかも「ちゃんと最後まで」実行する必要があるのです。

これもまた多いパターンですが、知識を得ると良いところ取りをしようとする方がいらっしゃいます。良いところ取り自体、別に悪いことではないのですが、一度は最後まで試してから実行していただきたいと思います。この「ちゃんと最後まで」というのは、成功するための大きな要素だと思います。

行動しない人は 失敗から学ぶことさえできません。一方でちゃんと最後までやらない人は、せっせと畑を耕しても、種をちゃんと撒かないので収穫にありつけない気の毒な方たちといえます。

・ちゃんとした方法の大切さ

おそらくですが、ここにいらっしゃるあなたは、多くの問題を抱え悩み苦しんだ末にこのサイトに辿り着かれたことと思います。ひょっとしたら内容をご覧になり、その通りだと思われているかもしれません。またそうだからこそ、ここまで読み進めてこられたのかもしれません。

ですがせっかくの努力も、ちょっとしたやり方の間違いで水泡に帰す場合があります。例えば次のようなケースは、ちょくちょく見られるものです。

Aさんは懸命に努力して、3年間の断ギャンブルに成功しました。ですが彼は、ギャンブル依存症が一生治ることのない心の病だと知りませんでした。

とある日のこと、彼は「もう安心だ! オレはもう二度と失敗しない」とばかり、パチンコ店に入ってプレイし始めました。ホールに入った当初、彼はコントロールできると思ってましたが、やり始めてしばらくするとアツくなり、やめようと思っていた金額で収まりませんでした。

そういったことを何回か繰り返すうちに、彼は3年前と同じ状態に戻り、また借金を繰り返すようになりました。

実際我々のグループの中でも、長期の断期間を経てスリップ・再発する人がたまに出ます。そういった方は「ちゃんとした方法をとっていなかった」、もしくは「ちゃんとした知識を得ていなかった」という場合が多いです。そして、ちょっとした油断・過信がきっかけになるケースもよく見られます。

大丈夫だろうと思って自分を試したくなる…。こういった誘惑は、断を開始して年数が経つにつれ頭をもたげてくる厄介な存在です。そういった脅威から身を守る方法はいくつかあると思いますが、一番大切なことはちゃんとした知識を得て、それに基づいた方法を実行することです。このケースの場合、ちゃんとした知識とは「ギャンブル依存症が一生完治しない」という事実です。

次に大切なことは、自分を過信し過ぎないことです。自信を持つということは良いことですが、こと依存症の場合、「ギャンブルというエリア内に居る自分のことは、信用しない」というのが原則です。

油断大敵とはいいますが「オレは、絶対にスベらない!」と考えている人ほど、実際は危ない橋を渡っていることが多く、失敗しやすいといえます。次の3項目は大切なことなので、今回しっかりと覚えておいてください。

  1. ちゃんとした知識を得る
  2. それに基づいた方法を実行する
  3. 自分を過信しすぎない

最初は誰でもばかばかしいと思いがちですが、過信せず朴訥(ぼくとつ)に決められた方法を実行することが唯一克服を成功させる術なのです。(続く)

奥井 隆
奥井 隆
2 市民団体 ギャンブル依存症克服支援サイトSAGS 代表
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