政治利用の果てに高まった危機
今現在、日本と韓国との関係は史上最悪といわれている。なぜこうなってしまったのかについてだが、おそらく両国の民族が政治利用されているからだろう。
日本の場合これまでより、弾道ミサイルの着弾が懸念されたり領海が侵犯されたりしたときは、時の内閣支持率が上がっている。
これは以前の記事で書いたことでもあるが、ナショナリズムの台頭と政権の支持率とは大きな関係があり、有事の際は時の政権が安定する傾向にある。
考えてみれば外国から敵が責めてくるような情況であれば、国内的に政争などしている場合ではないというのが、もっぱらの理屈なのだろう。そういった理屈は、おそらくだが今回の相手国である韓国側でも同じなのである。
だが韓国と日本とを比較すると根本的に違うことが一つ存在する。それは、韓国で幼少期から取り入れられている反日教育の存在である。
反日は麻薬と同じ
韓国民が幼少期から反日教育を受けているというのは有名な話である。私がこれまで目にした物の中で、一番強烈な印象を持ったのが小学生たちが描いた絵画だった。
それは韓国旗を掲げた人物が日本国旗を持った人物を傷めつけているものや、複数の人物が日本の旗を踏みつけているもの、果ては誰かが日本の国旗に小便をかけているらしい絵まであった。
また彼らが手にしている教科書には、慰安婦の写真や徴用工の写真などがまことしやかに資料として添付掲載されている。教師は授業で、日本がどんなに酷いことをしたか生徒に教え、日本こそが韓国の敵国であると洗脳しているのである。
幼少期からそういった教育を受けているのなら、彼らにとって日本と友好関係を結ぶなどとんでもない話なのであろう。おそらくだが日本と韓国との間に存在する感情と軋轢の根源に存在するのは、彼らが受けてきた反日教育である。
考えてみれば、反日という感情が社会生活を送る上でのスタンダードであれば、それは一種の麻薬のようなものである。例えば一人の政治家が日本と協力関係を強めることが自国にとって最善であると考えたとしても、そういった政策自体がそもそも成り立たないことになる。
よしんばそういった政策を推し進めようとしても、周囲は反日で育った人物ばかりだから、あっという間に「裏切り者」のレッテルを貼られることになる。それが与党側の人間なら、野党から思い切り足下をすくわれるだろう。だから近年、韓国の指導者は堂々と日本と交流することができない。
逆に竹島を事実上支配下に置いてヘリポートを作ったり記念碑を建てたりする大統領まで現れる始末である。
先に書いたように、反日教育は麻薬である。ひとたびそういった環境に身を置くと、それに抗って主張することも生活することもできなくなるのだ。
日本側に存在する問題
だが、そうなった責任が全て韓国の反日教育だけにあるのかといえば、私はそうでないように感じる。日本人が韓国民を良く思っていない理由が存在し、それが友好関係構築の妨げをしているのである。
一番問題だと思うのが、昔から存在する朝鮮民族に対する差別である。私はこれまでに何度も、日本人が朝鮮民族に向けて発した差別的な発言を聞いている。そしてそれらは同じ日本人として、本当に恥ずかしいと感じる「言葉」であった。
なぜ日本人が彼らを差別してきたのかについては諸説有るだろう。日本人が嫌がる仕事に就いている人が多いのも、その理由の一つである。パチンコ店の経営など、日本人を経営から閉め出して発展してきたグレーな産業も存在する。
同時に戦後急成長した日本にとって、後年になって先進国入りした韓国は自分たちよりも劣る存在として見られ、彼らは常に上から見下ろされてきた民族でもあった。
そういった国民感情と社会情勢の中、自然と朝鮮民族に対する差別が根付いてきたのだろう。朝鮮民族に対する差別は、間違いなく両国民の間に存在する大きな障害となっているのである。
騒動に終止符を打つために
それでは、今現在の情況を打開するために必要なことは何だろうか? これから日本と韓国が友好的に過ごすためには、どうすれば良いのだろう?
結論からいうと、私は日本国民か韓国民どちらかが沈黙する必要があると感じるのである。ここでいう沈黙とは、ただ単に黙るということではない。無反応になるということである。
そして無理矢理、騒動に終止符を打とうとしないことである。仮に韓国で大規模な反日デモがあったとしても、メディアは日本国内でそれを大きく取り上げないことだ。これは強制終了にも似たクールダウンといえる。
挑発に乗るから相手はもっと挑発するわけであり、無反応であるならば逆に挑発し甲斐も無くなっていくことだろう。我々市民は貿易や領土の問題に関心を示さず、政治家に託すのが良かろう。否、ほとぼりが冷めるまでは、そうすべきなのである。
それと 反日を教育にまで取り入れている国が相手なのだから、ここはやはり日本が率先して沈黙すべきではないだろうか? おそらくだが、それが一番手っ取り早い解決法である。
反日が政治の道具になり得ない情況が続けば、おそらくだが事態は急変するだろう。そうすれば、日本と友好関係を築こうとする人物が政権の中枢に就く可能性も出るのである。
私はこれまで、在日コリアンの人々と親交が深かった。今、両国間の問題について最も憂慮しているのは、彼らだと感じる。これ以上政治的なことをお話しするつもりはないので、次回は私がこれまで接してきた在日コリアンたちについて書いてみたい。
奥井 隆