前回までで「断パチ・スロ3原則」のうち、お金と時間について書いてきた。ここで少しだけおさらいをしておこう。
金銭管理が必要な理由
ギャンブル依存症を克服するのに一番大切なことは、余分なお金を持たないことである。その理由だが、ギャンブル依存症が心の力を弱らせるからである。
言い方を換えると、依存した限り自分のことを信用してはならないともいえる。あなたは、信用できない人物にお金の管理を任せるだろうか? これと同じ理屈である。
依存した限り、自分の手が届かない場所にお金を置いて生活するのは常識だ。具体的な方法としては、カミングアウトして家族に金銭管理をお願いするのが一番だが、それができない人は電子マネーカードなどのキャッシュレスを利用し、クレカやキャッシュカードなどを持たない工夫が必要となる。
私は財布を捨て、小銭入れと電子マネーカードだけで生活することをお勧めしている。以下の記事を参照のこと。
持て余す時間対策
持て余す時間対策といえば、精神科のドクターはよく「新しい趣味を作りなさい」とおっしゃる。だが新しい趣味など作れるようなら、依存していないというのが依存症ギャンブラーの言い分だ。
時間を持て余さないための特効薬は存在しない。というよりは、断ギャンブルを続けていけば自然と時間が足りなくなっていくのである。
その理由だが、「それまでギャンブルに奪われていた時間が、本来の目的に戻って行く」からである。次の記事を参照のこと。
「暇」というものは、断ったときの断末魔のようなものである。ギャンブルというのは厄介な物で、やめた瞬間に毒を吐き出す。その毒こそが「暇」であり、これに耐えられなくなって多くの方が再び手を染めてしまう。
しかしながら恐れる必要などない。もがきながらでも断生活を続ければ、徐々に依存する前の日常が戻り、逆に多忙で苦しむことさえ出てくる。
ギャンブルをやめると人間関係も正常に戻っていく。その過程で新しい遊びや趣味のお誘いが多くなるのも、暇な時間が無くなっていく理由の一つである。
趣味を自分で作ったり探したりするのは意外と難しい。殆どの人たちが、「始められたきっかけは何ですか?」と問われたとき、「誘われて」と答えている。