・すべきことを分類して気付くこと
ここで、簡単にできることと、実行するのが困難なものとをレベル別に分けてしまいましょう。
・簡単にできること
- PATから退会する
- 貯玉を全て交換してカードにハサミを入れる
- パチ屋のメール会員登録を解除する
- パチ・スロの情報源を断つ・・・
- ギャンブルサイトのブックマークを削除する
- 公営ギャンブルのオンライン投票から退会する
・少し面倒だが 比較的たやすいこと
- 昔の友人にメールしてみる
- ギャンブルの交友を無くす
- 借金をしない
・実行するのが難しいこと
- 最小限のお金しか持たない
- 趣味を持つ
- 自己啓発に取り組む
- ちゃんと子育てする
- ちゃんと仕事をする
- 人に言えないことはしない
- ちゃんと家事をする
これらの項目をよく見てください。何か共通点があると思われないでしょうか?
「簡単にできること」という項目の中に含まれていることは、全て一つの操作で作業が完了するものばかりです。「少し面倒だが 比較的たやすいこと」という項目の中に含まれているものは、一つの作業で済むものの、思い切りが必要だったり躊躇しやすいものだったりします。そしてこれらの殆どは、生活環境の改善項目ばかりです。
「実行するのが難しいこと」に含まれるものは、実行するのにいくつかの手順があったり、先に他のことをしなければ実行不可能だったりするもので、主に生活習慣の改善に関することばかりです。そしてもう一ついえば、生活環境を変えることと生活習慣を変えること双方に着手しなければならないものも多いといえます。
例えば、「最低限のお金しか持たない」ためには、家族の助けを借りたり電子マネーを利用したりすることが必要です。「ちゃんと子育てする」ためには、そもそもパチンコなどに行けるはずなどありません。パチンコするから育児がおろそかになるわけで、そもそもちゃんと子育てするということと、パチンコ屋に通うということは両立できないことなのです。これでは振り出しに戻ってしまいそうです・・・。
これは「趣味を持つ」についても同じことがいえます。趣味というものは本来探すというものではなく、何かの縁でできるものだからです。つまり、「実行するのが難しいこと」という項目の中に属することは全て複数の作業が必要であり、一朝一夕に改善できないのです。
・生活環境改善と生活習慣改善との「根本的な違い」とは
すべきことの項目をご覧になればお分かりになると思いますが、生活環境を変えることは比較的たやすく、逆に生活習慣を変えることは難しいということです。
そして生活環境の改善はたやすいばかりか、その効果が半永久的に持続するといえます。例えば、貯玉を全て交換してカードにハサミを入れれば、次にカードを作らない限り貯玉できないので、その効果は高いといえるでしょう。
勿論スリップして、そのついでにカードを作るなど言語道断ですが、もしもそうなった場合、克服する意思はかなり薄れており、既に再発状態であるといえるでしょう。つまり、克服する意思がある限り、これはかなり有効な対策なのです。
ところが「最低限のお金しか持たない」というのはどうでしょうか? 電子マネーカードを作ったり家計簿アプリをインストールしたり、家族に金銭管理をお願いしたりといった環境作りが必要なばかりか、「必要最低限のお金しか持たない」という習慣を身につけるために、当人のヤル気と意思が問われます。
それまでのギャンブル生活で身についた習慣を変えるというのは、ことさら難しいものです。断を志したものの、殆どの人が最初この部分でスタックしてしまいます。(続く)