2回に渡って金銭管理について書いてきた。簡単にまとめると次の通りである。
給料日に、生活費を電子マネーカードにチャージしましょう
支払いは電子マネーカードとスマホ決済を使いましょう
手持ちする現金は900円にしましょう
現金を使うのは、自販機でお茶や缶コーヒーを買うときだけくらいに割り切った方が良い。だって、コンビニで現金は不要でしょ?
そして最も重要なのが、次のことだ。
※自分自身で毎日金銭管理するのは 諦めなさい
もっとも、数年くらい前まで、このことをしなければならなかったのは事実だ。だが依存して心の力が弱っている人が自分自身に金銭管理を託すのは、かなり無謀な手段である。
さて金銭管理について一通りお話ししたところで、今日はカミングアウトの話をしよう。カミングアウトと聞いて、ゴクリと生唾を呑み込まれた方は多いことだろう。
なぜ真っ先にカミングアウトなのか
まず、カミングアウトとは何かご存じで無い方のために解説させていただくと、カミングアウトとは、「家族やパートナーに、ギャンブルをやめることができないせいで、自分が問題を起こしていることを告げる」こととされる。つまり告白であり、それまでの悪行を自首することでもある。
これは昔からいわれていることだが、カミングアウトはギャンブル依存症を克服する上で真っ先にすべきことである。それにはいくつかの理由が存在する。
一番の理由は、「家族やパートナーにバレるのは、かなり状況が酷くなってから」だからである。つまり、借金や使い込みが限界まで膨れあがってから露見するということだ。勿論だが、家族の怒りや悲しみは一層大きい物になるだろう。
そして知っておいていただきたいのは、「どんなに隠そうとも、金銭問題は必ずバレる」ということだ。酷くなる前に白状なさいということでもある。
二番目の理由とは、「カミングアウトしない限り、家族やパートナーの協力を得ることができない」ことである。
ここで、「あんたが勧めているのは、自分自身で問題を解決する方法じゃないか。これでは他力本願だよ」と仰る方がいるかもしれないが、それは違う。
私がお勧めしている自分自身でできる方法とは、「医療につながらず、施設に入所せず、自己管理を中心とした方法でギャンブル依存症を克服する」ということである。
ギャンブル依存症の克服は、仲間の力を借りなければ難しい。もしも立場上、家族の力を借りることができるならば、借りた方が早道である。
依存症ギャンブラーがカミングアウトを嫌う理由
カミングアウトと聞いて後ずさりする方は多い。なぜならそうした結果、罵られたり離縁されたり最悪の場合は一家が離散したり、といったことが自分自身のひとことによって現実になる可能性が有るからだ。
あらかじめ申し上げておくが、そうなる可能性は無いと言えない。だがしかし、だからといって先延ばしして現実に背を向ければ、事態は一層深刻になることだろう。つまり、「もっと、ひどいことになりますよ」ということである。
依存症ギャンブラーがカミングアウトを嫌がる理由は、もう一つ存在する。そのことをズバリ言うならば、「カミングアウトすることで、今後ギャンブルできなくなる」ことを危惧してということである。
こういった話を家族の方が聞くと、メラメラと怒りの炎が燃え上がると思うが、依存とはそういったものである。先にも書かせていただいたとおり、依存は心の力を弱らせてしまう。このあたりは、クールに見守られたら良いと思う。
ただしカミングアウトを経たとしても、決して安心できない。なぜなら、本当のカミングアウトは単なる告白とは少し違っているからである。(続く)