あっちゃん③(SAGSにつながって)

2・寂しさの充填

新規スレで常連さんにお世話になり、話し掛ける、会話を返す、次の日また話し掛ける…これを毎日繰り返すだけでした。

その中で自分の失敗談をさらけ出し、恥ずかしい話を聞いてもらい、徐々に自分を見つめ直す機会を得ました。

僕は、断している間の気持ちの拠り所を得ることができました。

SAGSのつながりで得たもの… 僕にとって「寂しさの充填」だったのかもしれません。

断つ前は隠し事が増え、誰にも言えないというストレスを増やしていった日々でした・・・。そういった現実から離れ、

断している時の気持ちを親身になって聞いてもらえたのが、本当に嬉しかった…。いつしか覚悟が強くなりました。

自分に対する覚悟、家族に対しての覚悟、仲間に対する覚悟、それを見直せたと思います。

その後、オフ会を経て、時々SAGSの仲間たちと集まり、衝動を防ぐためにガス抜きをするようになりました。

ますます寂しさを補填できるようになって、今に至ります。

・戻ってきた「交友」

断が軌道に乗り始めると、何よりもお金の価値を感じる様になりました。ギャンブルの軍資金のために、今までどれだけの物欲を封じて来たんだろうか…、と後悔の連続でした。

¥1,000の価値、¥2,000の使い方、¥5,000の時間…、いろいろなものが見えるようになりました。

サンド(パチ台の現金差す機械)に突っ込んでたお札の価値なんて、丸っきり考えていなかったんですね。

それと人間関係を大切にできるようになりました。長時間台に座ることにしか頭になかった僕は、

家族や友人の誘いを断り、大事な仕事すらサボってホール通いをしていました。

ギャンブルから解放され気持ちに余裕ができると、周囲の声が自然と耳に入るようになり脚が軽くなったんですね。

また、「仲良くなった人からの誘いに乗ってみようかな~」と、前向きな気持ちが生まれ始めました。

断を開始してから、20年以上会っていなかった同級生たちとの再会が何度もありました。今では、不思議なくらい友人との交流が増え、それに応えられる自分がいる事に気付きます。

(続く)

奥井 隆
奥井 隆
2 市民団体 ギャンブル依存症克服支援サイトSAGS 代表
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