誘惑は どうやって防ぐのか

175696015_24e99b6707今日は「断パチ・スロ3原則」の最後の項目である、「誘惑対策」について書いてみたい。

ひとことで誘惑対策といっても、実は2つに分けて対策する必要がある。では具体的にどうするかだが、「知識と生活環境」を時系列で対策すれば良い。

簡単に書くと、「まずはちゃんとした知識を得て、誘惑の元となる生活環境を正していけば良い」のである。

ここで誤解が生じないように、先にお話ししておく。余分なお金も持て余す時間も大きな誘惑要素である。

この場で誘惑として取り上げるのは、「お金と時間以外のもので、あなたをギャンブルに駆り立てる要素」と定義しておく。例えば、時間の経過にともなう堕落やパチ友や馬友、バクチ好きの同僚・パチ屋からのメールなどがそれに該当するだろう。

2現存する誘惑とは

それでは現在に絞って考えるとして、どういったリスクが存在するのだろうか? もちろんだが、先に書いたような遊技場や交友関係からの誘惑というのもなかなか侮れないものである。

だが、一番厄介なのは「自身の無知」である。簡単に説明すると、ここでいう無知とは次のようなことだ。

・ギャンブル依存症について基本的な知識を持たない
・自分のことを過信している
・他人の意見を受け入れない

これらの無知が誘惑を引き出すトリガーになっているのである。

ギャンブル依存症についての無知とは、ひとことで言えば、「一定期間だけ禁パチすれば、何とかなる」と考えている人たちのことを指す。そういった人は、断ギャンブルのことを我慢する期間だと考えている場合が多い。

だから一定期間が過ぎると、頑張ったご褒美とばかりギャンブルに走る。結果はあなたの想像通りだ。既にご存じだと思うが、ギャンブルに依存したら一生ギャンブルしてはならない。そういった知識は、最低限持つべきものである。

自分のことを過信している人というのは、情報は得ているもののそれがちゃんとした知識として機能していないせいで、間違った方向に走ってしまう人たちのことである。

例えば、一定期間の禁パチに成功して、自分なら大丈夫だろうとばかり、自分を試してスリップしてしまう人がそれに該当する。

他人の意見を受け入れない人というのは、相手の言葉を信用せず何でも自分流で行わないと気が済まない人である。もう一つ例を挙げると、「相手の話を聞いて、良いところ取りだけする人」もそれに含まれる。

そういった人たちは仲間たちから、「youtubeのパチ・スロ関係の動画は、見ない方がいいよ。お勧めに表示しないためには、こうすれば…」などとアドバイスされても、曖昧な返事をして実行しない。

大切なことなのでもう一度書いておくが、無知は誘惑のトリガーとなる。現在の誘惑対策として最も重要なのは、パチ屋からのメールを解除するとかバクチの交友関係を無くすとかといったこと以上に、自分の無知と向き合うことなのである。

未来の誘惑に向き合う

それでは未来の誘惑に備えるためには、何もどうすれば良いのだろうか? まずは、あなた自身の無知を何とかするのが緊急の課題である。

なぜならちゃんとした知識を一度得れば、ほぼ永久に継続して効果を得られるからである。例えば、断パチが順調な人が先々自分を試そうと考えないための知識などがそれに該当する。

ここでいう自分を試そうとする考えなどは、ちゃんとした知識に紐付いていないから出てくるわけで、未来のリスクを減らすためにもちゃんとした知識は得ておくべきである。

逆にいうと、それさえちゃんとできているならば、その先好ましくない交友を得ることも無いだろうし、ギャンブル関係の情報を得ようとも思わないことだろう。

まずは現存する無知と誘惑を取り除き、次に未来に向けて誘惑対策を取れば良い。順序は、現在が先で未来が次である。お間違えの無いように。

未来のリスクは主にストレス

誘惑の話から少し外れるが、断ギャンブルを継続していく過程で最も気をつけるべきなのがストレスである。実際にストレスは恐ろしいものだ。大きなストレスに見舞われ、瞬時にしてスリップした人を私はこれまでに何名か見てきた。

そういった人はどんなに正しい知識を得ていたとしても、グループ内でどんなに指導的な立場であったとしても、一切関係なかった。自分に降りかかったストレスの火の粉を消すために、躊躇うこと無く再びギャンブルに手を染めたのである。

そういったことから考えるならば、未来に向けて大切なのは誘惑対策というよりは「ストレス対策」と言った方が良いかもしれない。次回はストレスと向き合う方法について書いていきたい。(続く)AMAZON

 

奥井 隆
奥井 隆
2 市民団体 ギャンブル依存症克服支援サイトSAGS 代表
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