保険屋時代 その4

2忙しくしている奴ほど怪しい…

いろいろな仕事を経験してきたボクだが、営業職というのは本当にくせものだと思う。自己管理が、とにかく難しいのである。

自己管理が難しいとは、どういったことか? それはざっくばらんに言うと、ついつい自分に負けて仕事をサボってしまうということだ。そしてサボることが常習化し始めると、もう手が付けられなくなる。

かつてのボクもそうだったが、忙しいふりをしてとにかく早い時間から社外に出る奴が居る。勿論、行先はパチ屋である。経験上感じるが、忙しく見える奴ほど怪しいというのは、まず間違いない。

そういった人ほどギャンブルに依存している場合が多い。なぜなら、時間を惜しんでまでやるという習慣が身に付くまでハマっているからである。特にパチンコ依存とスロット依存は、日常的に仕事をサボってパチ屋に行く人に多い。

日課はモーニング取り

当時のボクは朝礼が終わると、さも忙しそうにふるまい、アタッシュケースをたたんで外へ出た。目的は一つである。行きつけのパチ屋に行って、モーニングにありつくわけだ。

モーニングとは文字通り朝一サービスで、店側があらかじめパチスロ機にボーナスを仕込んでおくことである。今ではモーニングを仕込むことが禁止されている。だが、当時はモーニングを入れているパチ屋が多かった。

モーニングのある店の前には必ず行列が出来る。とにかく千円分のコインを買ってモーニング台にさえありつけば、4千円強が儲かるからだ。

並ぶメンバーは毎朝殆ど同じだったが、古参のメンバーほど偉そうにしていた。メンバーの中には主婦や老婆なども交じっていたが、いかんせんパチスロというものは絵柄を揃えないとどうにもならない。

絵柄を揃えることができない者は、たとえモーニングにありついたとしても誰かの面倒にならなければならないのである。そこに目を付けた、ずる賢い奴がいた。(続く)