大阪都構想廃止 だがIR廃止論は まだ始まっていない

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いわゆる大阪都構想(大阪市を廃止して複数の特別区に分割して統治する構想)が頓挫した。

その理由や経緯については様々な方が書かれているので割愛するが、今も尚コッソリと秘密裏に進められているIR(カジノを含む統合型リゾート)計画について書いてみたい。ここで特筆すべきは吉村知事の発言である。

彼は、「僕自身が都構想について再挑戦することはない」と語った。だがしかし、これはあくまで「僕の手」での話であって、完全にこの政党が大阪市廃止を断念したというわけではない。

もっといえば、カジノ誘致を含むIRについて今回は、その是非を議論された形跡が無い。つまり大阪維新は大阪市の廃止は断念したものの、カジノの誘致はどうやら現行のまま押し切ろうとする公算が高いのである。

都構想に反対した側もカジノについては与党側の政策だから、触れようともしない。誰もが、この問題についてはミッフィーちゃん状態なのである。

バクチに国の将来を託すという堕落

大阪都構想は頓挫したが、IR廃止論はこれからもっと真剣に議論されるべき問題である。ではIRがなぜよろしくないのか?

その理由はいくつかあるが特に重要なのが、IRが「バクチにインバウンドを当て込んだ絵に描いた餅構想」であることと、世界的にカジノが斜陽産業であることだ。ベガスはもちろんのこと、マカオの収益も下降気味である。これはコロナ禍になる前からの現象なので、今回のウイルス騒ぎとはまた別の次元の話である。

合わせて、ここまで「パチンコ店という公然のバクチ」で溢れかえる日本に、将来のお荷物になる可能性が高い新たな賭博場を作るというナンセンスである。

これは以前にも書いたが、IR計画やカジノの誘致は「我々の血税をドップリと賭博業界に垂れ流して甘い汁を吸わせ、その後も我々に尻ぬぐいをさせようとする計画」に他ならない。

これまで大阪を含め数々の自治体が3セクの辛酸をなめ続けてきた。もしも今回IR計画が実行されるならば、またしても同じ失敗を繰り返す公算が高い。

今現在、インバウンドの恩恵で潤っていた観光地や施設がどうなっているのか? 敢えて書く必要もないだろう。インバウンド、特にバクチなど実態が無い物を収入として当て込むのは危険きわまりない行為と言えよう。

カジノには口を閉ざしたメディアたち

大阪では今回、毎日のように大阪都構想について議論が繰り広げられてきた。ここで不思議に感じるのが、なぜメディアも関係者も大阪維新の唯一の経済政策であるIR計画とカジノ誘致について口を閉ざしていたのかだ。私の知る限り、議論されたという形跡が無いのである。

ちなみに横浜市では、IRの是非を問う住民投票実施が今も模索されている。以下、NHKニュースWEBより引用。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201104/k10012694871000.html

横浜市は横浜港へのIR施設の誘致を目指していますが、反対する市民らで作る団体は、是非を問うために住民投票を実施すべきだとして、4日までの2か月間の日程で署名活動を行っています。

4日、横浜市中区で最後の署名活動が行われ、団体は4日朝までに住民投票の請求に必要な、およそ6万人を大幅に上回る15万6445人の署名が集まったことを明らかにしました。

こういった状況を見るとよく分かるが、既にカジノに関してもダンマリは通じなくなってきているのである。

カジノ廃止活動は始まったばかりだ

私はこれまで何度か、カジノ誘致反対の記事を書いてきた。カジノ誘致とは、「絵に描いた餅のために国民の血税を賭博業界に垂れ流し、国民を堕落させ、新たな社会問題発生を促す愚策」に他ならない。

先の記事でも書いたが、そもそもギャンブルは上限を決めて行うべき遊戯である。それを「スリルが無い」とか「楽しみが減る」などと言う人たちは、「大酒を飲んで暴れ回らないと呑んだ気がしない」と言っているに等しい。

日本にカジノは必要ない。どうしてもプレイしたいのなら、お目当ての機種や遊戯がある国に行って楽しめばよろしかろう。

これからの日本に必要なのは、賭博かどうかのグレーゾーンまっただ中にあるパチンコ業界を含め、全てのギャンブルに投資上限額を定め統括管理するシステム構築である。まずはそれに向けて、公営も含め全てのギャンブルを再構築することが必要だ。

カジノ廃止論は始まったばかりだ。今こそ、我々市民の力が試そうとされているのである。

大阪市民が大阪市を守ったように、我々もこの国を賭博による汚染と堕落から守るべきでは無いだろうか? (奥井 隆)

奥井 隆
奥井 隆
2 市民団体 ギャンブル依存症克服支援サイトSAGS 代表
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