しっぽな☆☆②(問題発生~底尽きへ)

  • 体調不良と金銭問題

そんな中、私はパニック障害と不安症になり、これが生き地獄に拍車をかけました。ちょうど断スロ開始の3年くらい前でしたか…。

薬を飲んでも効かない。発作が毎日のように襲いかかり、そのたびにこの世の終わりだと思いました。起きてても、横になっててもつらい。楽になりたいのに、スロットやめたいのに、気持ち良く過ごしたいのに、全てが叶わない……。

そのような最悪な状態にもかかわらず、私はスロットが止められずにいました。スロットしている最中でも発作がたびたび起こりました。椅子にも座っていられなかったくらいです。 それでも、止められませんでした。

スロットのお陰で借金まみれになり、それをスロットで取りかえそうとして状況は一層酷くなり、借金は一本化しないと返せないほどになりました。

借金額が多過ぎて、一本化の審査を通過するさえ困難でした。 しかし、これにはちゃんとした解決策があったのです。

現在は完済して、まもなく4年になろうとしています。こういった経験は、借金で苦しんでいる皆さんへ、またの機会にでもお伝えできればと思います。

  • 底尽き

話は変わりますが、私の 一番の底尽きは、親戚の不幸で手伝いを依頼された時に訪れました。私はスロットをしたくて仕事を休み、負けてイライラして、そんな中遅れて親戚の家に顔を出しました。

親戚の人たちは忙しく働いていました。そして私に、「仕事ご苦労だったね。疲れてるのに申し訳ないことを頼んでしまったけど、来てくれてよかった。本当に疲れてるのにありがとうね」と言ってくださいました。

自分のぶざまさを目の辺りにして、情けないやら、悲しいやら、とにかく、凄い罪悪感に襲われました。 「騙してたのに、ありがとう? 笑わせるんじゃないよ、あんたたちバカ???」って思ったのと同時に、「こんな私を温かく迎えてくれて、本当にありがとう!」という気持ちが混同し複雑な気分でした。ですがその時初めて心から、「止めよう!」と思えたのです。

こうして、私は平成24年4月15日より断スロを開始しました。

やり方はシンプルで、ただいかない日を一日一日積み重ねることにのみ集中しました。暇なときは、寝て過ごしました。無理に予定をいれたり行動範囲を広げることをせず、ただ静かに寝ていました。

すると、だんだん気持ちが穏やかに丸くなっていくではありませんか。身も心も休まり始めたのです。休んでることを喜んでいるのです!

振り替えれば、あの頃の私は365日13年間、休んだことなどなかったと思います。あんなに穏やかにゆったりと休んだことなどありませんでした。平日は仕事、休みの日はせっせとスロットをして体を駆使していました。何もかもを、ずーっと休まずやっていたんですね。

ある意味働き者といいましょうか。脳も体も13年間毎日働きっぱなし。あり得ないですよね。でも依存すると、そうなってしまうのかもしれません。恐ろしいことです。

自分にちゃんと休みを与えると、抱えていたパニック障害も落ち着いてきました。 お陰様で、今では完治しました。

メンタル面もギャンブルと密接に関わっていると思います。その話はまた機会があればお話ししたいと思います。

しっぽな☆☆③(断ギャンブルの効果~落とし穴)

奥井 隆
奥井 隆
2 市民団体 ギャンブル依存症克服支援サイトSAGS 代表
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