最近、QUORAで投稿する機会が増えた。QUORAとはQ&Aのプラットフォームなのだが、大半の参加者さんは健常者である。考えてみれば当たり前なのだが、我々依存の業界がニッチなのであって、外に出れば依存していない人の方が多くて当然だ。(QUORAは、FACEBOOKやTWITTERにアカウントが有れば簡単に登録できる。Q& AのSNSといえる)
QUORAのような場で発言すると、依存とは別の視点からもギャンブルとその業界について考える必要がある。最近、このことを痛感し始めている。特に「問題があるギャンブラーとは何か?」という部分で、依存以前に考えることが多い。ようは、健全にギャンブルを楽しめているかどうかの線引きである。
そういったこともあり、これからしばらくは、「問題のあるギャンブラーと特に問題の無いギャンブラー」について書いていきたい
問題のあるギャンブラーの特徴
依存とまではいかなくとも、いずれひどい目に遭うことがほぼ確定している人たちには、共通の特徴がある。それが次の3つである。
1.お金の管理が出来ない
2.時間の管理が出来ない
3.感情のコントロールが出来ない
では、「こういったことがちゃんとできる人なら、問題の無いギャンブラーか?」ということだが、必ずしもそうとは言えないのが現実である。なぜならギャンブル依存症のトリガーが引かれるタイミングにはいろいろとあって、私生活に問題がある人は必ず依存するとは限らないし、逆に問題がない人なら依存しないと断言することもできないからだ。
ただし上の3つに全て該当する人は、依存するかどうかの崖っぷちを常に歩いているようなもので、危険極まりないものである。どこかで躓けば、必ず依存という崖下に転落してしまう。レッドゾーンにいる人なら、即刻改善が必要だろう。もう一つ言うならば、直ちにギャンブルをやめた方が良い。
ギャンブル依存症=お金の問題ではない
ここで改めて確認しておきたい。ギャンブル依存症問題の中で、最も大きい問題は金銭問題である。これは事実だ。だが、金銭問題というのはギャンブル依存症がもたらす問題の中のたった一つに過ぎない。ただし金銭問題は一番表面化しやすいため、誰もがギャンブル依存症問題=借金問題と考えているのが実情だろう。
「金銭問題が無くなれば、ギャンブル依存症問題はなくなったか」といえるかというと、その答えは限りなく不正解に近い。その理由としては、ギャンブル依存症によって引き起こされる問題があまりにも多いことが挙げられる。
例えば、あなたが大金持ちだと仮定してみればわかるが、カジノなどで余程の賭けをしない限り金銭問題とは縁がないはずである。ところが金銭問題がなくとも、ギャンブルに依存すれば老若男女を問わず、次のような問題が発生する。
1.健康を害しやすい
たいていのギャンブルは、喫煙者が多く健康的な環境とは言えない。パチ・スロに関していえば、常に同じような姿勢で機械の前に座り続けるため、体調を崩しやすい。
2.悪い交友関係が存在する
ギャンブラー全てが悪い人とは言わないが、賭博場は犯罪者にとって格好の住処である。私はこれまで何度もノミ屋や麻薬の密売人を見てきた。賭博場が、ある意味で悪の温床であることは事実である。
3.精神的悪影響を受けやすい
ギャンブルをしていると、精神的に悪い影響を受け、次のような人格になり易いと言われている。依存者にはメンタルを患っている方が多く、全てが先天的な物とは言えないだろう。
●気が短くなった
●イライラするようになった
●人を思いやれなくなった
●利己主義になった
●ウソをつくようになった
●運転まで荒っぽくなった
●金銭に細かくなった
●うつ病になった
●喜怒哀楽の差が激しくなった
●仕事・家事などをしなくなった
●いつでも自分を悲観して生きる様になった
●自分を責め続けるようになった
●ギャンブル以外にモチベーションが上がらなくなった
考えてみれば、毎日お金の心配をしなければならないだけでも、かなり精神的なビハインドと言えるだろう。
4. 莫大な時間を損失し続ける
ギャンブルをすると時間が経つのを忘れてしまうことが多々ある。好きな人にとってはそれほどまでに面白いと言えるのだが、遊戯に時間を取られると本業に身が入らなくなるのは当たり前のことだ。
特にパチ・スロにおいては短時間での決着がつきにくく、毎日のように多大な時間を浪費している方が多い。このことが、どれほど人生にマイナスなのかは、語りつくせないものがある。
もしも自分のギャンブルにいささかの疑問でも感じることが有れば、ギャンブルによるマイナスを思い出していただきたい。問題の有るギャンブラーであるうちに、依存の芽を摘み取ることは可能なのである。(続く)