・誰だって 面白くないものには 投資したくない
パチンコ業界の不振により、今年の春に「マルホン工業」と「奥村遊戯機器」が相次いで倒産した。きっとあなたもご存じだと思う。では今現在、パチンコとスロット人口が減り続けている理由とは一体何だろう?
- 景気の低迷が原因だろうか?
- 高齢化が足を引っ張っているのか?
- 人口が減り続けているのだから当然なのか?
- パチ・スロ双方、ヒット機種が出ないからか?
- サラリーマンの小遣いが減り続けているからか?
- ゲームアプリをダウンロードできるスマホが客を奪ったのか?
- いやいや、近年ブームのソーシャルゲームが客を奪っているのでは?
まあそれぞれ、当たっている部分もあるだろうが、どうも肝心な部分を逃しているように思う。こういった原因については、実際ホールに出入りしている人に聞いてみればよくわかる。
今現在ホールに通い続けている人に聞いても、やめたという人に聞いても、同じような答えが返ってくる。それは、「現在ホールに置いてあるパチンコ機やスロット機は、面白くない」というものである。
おそらくだが、パチンコ店からここまでの客が離れてしまった原因は、パチンコとスロットが面白くなくなったことにある。
・賭博性が薄れ 見向きされなくなった機械たち だが・・・
さらにいろいろな人に、「どこが面白くないのか?」と聞くと、様々な答えが返ってくる。ある人は、「ドカンと出ないから、つまらない」と答える。ある人は、「調整が悪いから、ハナシにならない」と嘆く。またある人は、「1回1回の出玉が少ない上に、爆発してもショボい」とぼやいている。
そういった中で、「好きなキャラの機械がないから」とか「好きな機種が、なくなってしまったから」という答えを聞くことは少ない。どちらかといえば、つまらないという理由はゲーム性やキャラクターなどではなく、獲得する出玉数に関することが多い。つまり皮肉にも、現在のパチンコ・スロット離れが起きている原因は、それらが賭博的な魅力を失ってしまったことに起因しているのである。
ところが1995年くらいから2014年までのレジャー白書を見ても、遊戯人口が激減しているというのに、遊技機の設置数はそこまで減っていない。(1995年の遊戯参加人口は2900万人、2014年には970万人 1995年の設置台数は476万台、2014年は460万台)しかも、遊戯者一人あたりの投資額は、2001年当時と比べあまり減少していないというのが現状である。(2001年一人あたりの年間投資額は84700円、2013年は73200円)また驚くべきことに、客一人のホールへの年間来店数は逆に2001年当時よりも増えている。(2001年1人あたりの年間来店回数は25.6回、2013年は27.5回)
これは裏を返すと、「少ない客を相手にしているホールは、多くの遊技機と施設を維持管理する負担でアップアップし続けている」ということである。また客数が減っているにもかかわらず投資額があまり減らず、一人あたりの来店回数が増えているというのは、「パチンコとスロットへの依存者が増え、そういった人たちが投資額を積み増してホールの経営を支えている」といえるだろう。
つまらなくなった機械にしがみつき、どんどんとお金を使い続けているのが依存症ギャンブラーなのである。(続く)