「パチンコなくなれ!」は 問題解決にならない

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・「パチンコなんか なくなれ!」と叫ぶあなたへ

よく、「パチンコ店なんか、この世からが無くなればいいのに!」とか「オレは、パチンコがあるせいで…」とか言う人がいる。

まあそういった気持ちもわからないわけではないが、そのような考え方は克服するためにマイナスの思考だ。なぜなら、少々のことがあったとしても、日本の国からパチンコ産業が無くなることなどないからである。実現しないことを待ち続けるというのは、合理的な方法といえない。

というか、そんなことを口にする人だって、まさかパチンコが日本の国から無くなるなど本気で思ってはいないわけで、これは逆に「現実化しないことを言い訳にして、ギャンブルするための口実を作っている」とさえいえる。

・依存症ギャンブラーは 言い訳作りの名人

依存症ギャンブラーは、ギャンブルするための口実を設けるのが得意である。なぜなら彼らは自らがギャンブルすることに少なからず、罪悪感を持っているからだ。だから依存症ギャンブラーは、自分がギャンブルしてもよい口実と正当性を常に探し続けていて、それが依存の根を深くする原因にもなっているのある。

彼らが設ける口実の多くは、「取り戻す」ということだったり、「お金が無いから、増やそう!」だったりする。次に書くのは、そういった言い訳と口実の顕著な例である。

  • オレは遊びでパチンコに行くのでは無い 失ったお金を取り戻すために行くのだ これはもう遊びなんかじゃない 仕事と同じなんだ オレは断じて遊ぶために行っているのではない・・・
  • そりゃさぁ 危ない橋を渡りたくなんかないよ でもこのままじゃ 明日の返済さえできない状況なんだ・・・ パチンコに行って増やすことにかけないと どうしょうもないんだよ そう! オレは遊びで行くんじゃないよ お金を増やすために仕方なく行くんだ!

そもそもパチンコにせよスロットにせよ、ギャンブルというものは遊びである。それが遊びという枠を踏み外してストップがかからない状態になると、依存のスイッチが押されるのである。

いったん依存のスイッチが入ってしまうと、人は取り戻せるわけがない金を追い続けたり、決して得られることがない金をあてにして、いっそう大切な金を失ってしまったりする。そして、「そういったマイナスのループに陥り、抜け出せなくなっている」というのが、ギャンブル依存症といえる。

・遊戯人口が減る理由と原因

先にも書いたようにギャンブルにとって、本来は遊ぶというスタイルが一番健全で正しい。そもそもギャンブルは、「遊び」なのである。断じて「仕事」ではない。もう一ついえば、「ノルマ」でもない。それにもかかわらず依存症ギャンブラーは、ギャンブルすることを義務と錯覚したり、パチンコ店に行くのが自分の使命であると都合良く勘違いしたりするのである。

彼らは、「良くない現実を打破するために、自分はギャンブルするのだ!」と言い張っているともいえる。決して目的通りに金を得られることなどないとわかっていても、自分の行為を正当化し行く口実を得るために、彼らは終わりのない言い訳作りをし続けているのだ。

克服するためのレールに乗れている人たちは、「パチンコ店があるせいで」とか「無くなれば良いのに・・・」とか言わない。なぜなら彼らは、そういったことに関わっていても決して問題が解決しないことをよく知っているからである。

さて、ひょっとしたらあなたはこの投稿をご覧になって、モヤモヤした気分かもしれない。「お前は、ここまで蔓延したパチンコ依存問題から目を背けている!」とおっしゃりたいかもしれない・・・。

だがよく考えて欲しい。パチンコにせよスロットにせよ、近年になってかなり遊戯人口が減っている。この「遊戯人口が減る理由と原因」とはいったい何だと、あなたはお考えだろうか?

少なくとも、誰かが「パチンコ・スロットをなくそう!と思って、何かを実行した結果」でないことは確かである。

では一体、何が原因でこういった状況になってきているのだろうか? (続く)

奥井 隆
奥井 隆
2 市民団体 ギャンブル依存症克服支援サイトSAGS 代表
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