第3章 克服するための準備

2・克服を妨げる第三者とは

さて第3章からは、いよいよ「具体的にギャンブル依存症を克服するには、どうすれば良いのか?」というお話です。先に申し上げておきますが、第3章はギャンブル依存症の自覚に関することについてです。

ギャンブル依存症を克服するために必要なことはいろいろとありますが、簡単に分類すると次の3通りになると思います。

  1. すべきこと
  2. しては ならないこと
  3. してもらっては いけないこと

ギャンブル依存症を克服する上で、1.の「すべきこと」が一番多いです。ですが、2.の「してはならないこと」も意外とあるものです。また、「すべきこと」の中に「してはならないこと」が存在する場合もあります。勿論、逆のケースも存在します。

例えば、金銭管理はすべきことといえますが、金銭管理の中で「余分なお金を持ち歩くこと」というのは、「してはならないこと」となるでしょう。パチンコ・スロット依存を克服しようとするならば、「時間を持て余してはならない」のですが、そのためには「趣味を見つけるべき」だということです。ですからあなたは、このあたりのことを分類して考える必要はありません。

ですが、最初にこういったややこしい分類をしたのには訳があります。それは、3の「してもらっては いけないこと」が存在するからです。実際、1と2はわかるとして、3番目についてはそれが何か理解できない方が多いと思います。

「してもらっては いけないこと」というのは、あなたと特定の人物との関係についてのことなのです。少し詳しく書きますと、あなたがギャンブル依存症を克服したいのであれば、肉親を含めた第三者から受けてはならない援助があるということです。こういった行為を「イネイブリング」と呼んでいます。簡単にいえば、イネイブリングとはあなたの克服を妨げる人間関係です。

依存症ギャンブラーのために書かれている本で、ここまで言及しているものは少ないです。なぜならどの情報を見ても、その殆どが「依存者」と「依存者の家族」といった分け方で書かれているからです。家族向きの情報ではよくイネイブリングについての記述を見かけるのですが、本人からの相談であったとしても家族からの相談であったとしても、ここを外すと殆どの問題は解決しません。

イネイブリングの問題については、本人と家族双方の立場から検証し、違った対策を取る必要があります。なぜなら依存者と家族では立場が逆なので、考えておくべきこともやらねばならないことも、2通り存在するといえるからです。

そういった理由から、依存症ギャンブラーにとってもイネイブリングの問題は自己改造と同じくらいに大切なことなのです。3番目の「してもらっては いけないこと」については、後ほど詳しく書かせていただきます。今は、そういった要素もあるということだけ知っておいていただければ幸いです。

・克服に必要な3つの要素とは

SAGSでは次の3つのことが、ギャンブル依存症を克服するために必須であると考えています。我々が提唱している「断パチ・スロ3原則」と紛らわしいのですが、「断パチ・スロ3原則」は2.の生活環境と生活習慣を変える為の方法ですので、お間違えのないようよろしくお願いいたします。

  1. 自らの依存を(ちゃんと)自覚すること
  2. 生活環境と生活習慣を変えること
  3. 人間関係を構築すること

1.の「自らの依存を(ちゃんと)自覚すること」については、先に「克服への4STEP」で書かせていただきました。依存の自覚なくして克服はあり得ないといっても、決して過言ではないと思います。依存の自覚は克服するための準備として、必須の作業なのです。


克服の入り口となるのは、「自らの依存を自覚し、一生やめる覚悟ができたとき」です。そういったマインドが備わっていない場合、たとえ1年間近くの断日数 を重ねていてもスリップして再発します。意外にも、「やめよう!」と思って断を始めたとき、まだ入り口の外だったという方が多いのです。


ここにも書いているように、断を開始したにもかかわらず、実際はまだ克服のレールに乗れていない方が多いです。自らの問題に気付き、「これではいけない!」と思ったとしても、自分は依存であると思っていないうちは大変だということです。「自分は依存している」と思っていないうちは、たとえやめている期間が少々長くなっても「頑張ったご褒美だ!」とばかりパチンコをしたり、「俺は、もう大丈夫だろう!」と自分を試そうと思ったりしてしまいます。

多くの方が勘違いされているのですが、依存を自覚するというのは、意外と大変な作業です。そういった意味も込めて、1.では「ちゃんと」という言葉を付け加えているのです。(続く)