時間という名医 忘却という名薬

2・なぜリベンジしたくなるのか

さて今回はまず最初に、あなたと一緒に考えてみたいと思います。依存症ギャンブラーは、なぜ金銭に対する感情を燻らせ、隙あらばリベンジしようなどと考えるのでしょうか?

  • 憎いからですか?
  • 悔しいからですか?
  • 忘れられないからですか?
  • とにかく腹が立つからですか?
  • 損したままだと考えるからですか?
  • 取り戻せると思っているからですか?
  • 実は悔しいというより、行くための口実なんですか?

こういったことを書き連ねていると、いくつでも答えが出てきそうです。ですが、本物の答えはこれらの中にありません。正解は次の通りです。

  • リベンジできる相手が(今でも)存在するから。

例えば、あなたがかつて毎日のように貢ぎ続けた”A”というホールがあったとしましょう。あなたは、そこに居る従業員1名の給料に相当する額を毎月のように負け、その挙げ句借金を重ねて自己破産せざるを得なくなりました。

負けても負けても通い続け、いつも店員から馬鹿にされていた日々を思い出すと、悔しくてなりません。「このパチ屋があるせいで、オレは何もかも失ったんだ!」などと考え、あなたは眠れない夜を何度明かしたか知れません。

もしそういった状況であったとしても、ある日突然Aというホールが姿を消してしまったらどうでしょうか? そのホールが倒産したり他のチェーン店に統合されたりした場合、おそらくですがあなたが復讐すべき相手は消え失せたといえるのです。

いかがでしょうか? いくらアツくなっていても、リベンジする相手が居なくなればお話になりませんよね。そうなると誰だって、振り上げた拳を下ろさざるを得ないのです。つまり、「恨む対象がなくなってしまうこともある」ということです。最近では、統合されてしまったり倒産したりするパチンコ店が多いです。

もしもあなたが、特定の機種に対する思い入れやしがらみを持っているといった場合、機種の入れ替えは必ず行われますし、一定期間で製造中止になることも多いでしょう。そういった感情をリセットするのは、一層容易だといえます。

ですが、「オレが通っていたパチ屋は、まだ元気に営業してるよ」「私がヤラれ続けたあの機種は、まだまだたくさん置かれているのよ」という方も、中にはいらっしゃるかもしれません。そういった場合は、どうなるのでしょうか?

・リセットするには とにかく時間を稼ぐこと

かつてあなたがボコボコにやられたホールが、今でも営業しているというのであれば、少し考えてみてください。店は新装開店をしますし、店員が入れ替わることだってあるはずです。例えば、貢ぎ続けた機種が無くなり、バカにされた店員が居なくなり、店長まで交代してしまうと、かなり状況が変わったと思われないでしょうか? 恨みの対象そのものは残っていても、代替わりしてしまったら、なんだかやる気が失せますよね…。

といいましょうか、あなたはそこまで蛇のようにしつこく恨み続けることができる方でしょうか? もしも私があなたの立場なら、そうなってしまった場合、逆に恥ずかしくて行きづらくなるように感じます。私はこれまでに何名かの方から聞き取りをさせていただきましたが、ギャンブルで失ったお金に対する恨みは、やめ続けているとどんどん薄れていくそうです。つまり、リベンジのモチベーションは、思っているほど長く保てないということです。

ここで何よりも大切なことは、ギャンブルしない時間を稼ぐということです。逆にいえば、あなたは時間を稼ぐことで憎い相手とオサラバできるのです。恨む相手が存在している場合は、特にこのことが重要になってきます。人間は時間が経つと、復讐しようという意欲がなくなってくる生き物です。間違いないですが、ギャンブルで失った金銭に対する恨みや憎しみは、「時間」という名医にかかればたちどころに癒えるのです。時間は名医であり、忘却は名薬といえましょう。

ただし、ここでいう「時間」とは、「ギャンブルしない期間」であるということです。当たり前のことですが、スリップばかりしていると金銭とのしがらみが復活し、稼がねばならない時間そのものまでリセットされてしまうので注意が必要です。(続く)