問題解決のために 知っておくべきこと

2・真実を語れないメディア

さて、ここまでに書かせていただいたのは、「金銭に対する感情が依存を深刻にさせ、ギャンブル地獄から抜け出せなくする仕組み」についてでした。ですがあなたは、意外に思われたかも知れません。なぜなら私が書いてきたことが、テレビやマスコミが伝える「パチンコ・パチスロ依存症の実態」と異なる内容だからです。

ひょっとしたら、「なんだ! ギャンブルは麻薬とか、ドーパミンがどうだとかいうハナシはないのか?」と思われたかも知れません。

確かにテレビや新聞といったメディアがパチンコ依存について語るとき、そういった切り口が多いように思います。最初にパチンコ店などの施設で遊戯者を映し、モザイクをかけて依存者にインタビューするといった手法が多いです。そして次に、「ムラムラする」とか「「衝動が来ると、止めれなくなります」とかいった証言を放映し、最後に精神科医のお話で終わりと…。毎度、お決まりのパターンです。

まあ確かにそういった方法は、視聴者や購読者にとって理解しやすいものなのかも知れません。しかしながら、衝動が起きる仕組みについては医学的にまだ解明されていませんし、依存しやすい環境や生活習慣の改善法などについてもあまり話題にされることはありません。

しかも、ギャンブル本来の有害性やお金とのかかわりになると、メディアは急にだんまりになってしまいます。つまり彼らは、「パチンコは、依存しやすいギャンブルです」とか「ギャンブルは、人格を落とすものです」とか「パチンコは、1時間に5千円使うギャンブルです」とかいったホンネを語ろうとしません。実際にこれらの事実は、視聴者や読者が一番知っておくべきことではないでしょうか?

メディアにとって、「依存というものの恐ろしさ」というのは、とても都合の良い「寸止めの落としどころ」なのです。彼らは、スポンサーであるパチンコ店や遊技機メーカーの機嫌を損なうことを避けねばなりません。だからあの種の番組を見ていても、今後、何をどうすればよいのか、サッパリわからないことが多いのです。「ギャンブル依存症は怖いですよ」、本当にそれだけでおしまいです。

・依存問題と金銭問題は別

ギャンブル依存症問題を解決したいのであれば、まず最初にギャンブルと金銭との関わりについて知っておく必要があります。ギャンブルという遊びは、生活に欠かせない「お金」をやりとりするものです。そういった性格上、人間の感情と深く関わっていて、生活不安や人格低下を引き起こしやすいものです。このことは、これまで5回に渡って書かせていただいたとおりです。

しかしながら、ここで一つ勘違いしてはならないことがあります。依存症ギャンブラーのご家族に良く見られるのですが、金銭問題が解決すればギャンブル依存症問題も解決だと考えている方がおられます。同時に、「自分が負けることに問題があり、勝てれば問題ない」と考える依存症ギャンブラーもいます。

金銭問題が解消したからといって、依存問題に終止符を打てたかといえば、全くそうではありません。同時にギャンブルの結果と依存問題はまた別のものです。勝てれば問題がないというのも大きな誤りです。

なぜなら借金や浪費などといった金銭問題が、ギャンブル依存症が齎す害のほんの一つに過ぎないからです。金銭を溶かし続けるエンジンを止めない限り、いつまでたっても問題は噴出します。それどころか安易な金銭問題の解消は、ますます問題を大きくし火に油を注ぐ結果となるでしょう。

逆に、ギャンブル依存症を克服できれば、殆どの金銭問題は解決へと向かうのです。

・ギャンブルへの依存から家族を守るためには

では依存問題を解決したいと願う人や、子供たちを依存の脅威から守りたい親たちは、どういったことを心がけていけば良いのでしょうか?

肉親をギャンブル依存症から守りたいというのであれば、あなたの大切な人にギャンブルとお金との関係について話し、安易に手を出さないよう注意しておくことが大切です。一人の依存者がもたらす経済的な損失は、その家が傾くくらいだといっても決して過言ではありません。しかもギャンブルは、人格低下や就業能力の低下、人間関係の崩壊とも密接な関係があります。そういったリスクを考えるならば、ギャンブルしないよう普段から教育することは大切だといえるでしょう。

「ほどほどにやっていれば大丈夫じゃないか!」とおっしゃる方もおられることでしょう。ですが、その「ほどほど」を踏み外してしまう人があまりにも多いのです。もう一ついえば、日本ほど市中に多くのギャンブルが存在する国は、他にありません。

ギャンブルは、それで得られることと失うことを天秤にかけたとき、圧倒的に失うものが多いのです。「やらなければ、それに超したことがないもの」それがギャンブルだと心得ておいてください。(続く)