パチンコとスロットの2月規制についての考察 その2

「釘」が持っていた意味

それともう一点、これは私が一番気になっていることなのですが、今回の規制でパチンコ台の釘調整ができなくなるということです。

これは大きな意味を持つ改訂だと思います。なぜそう思うのかについてですが、それはひとことでいえば、この規制によりパチンコが完全にギャンブルになってしまったということです。

パチンコをした経験をお持ちの方ならご存じかも知れませんが、パチンコ台というのは釘の調整次第でデジタルがよく回ったり出玉数が増えたり減ったりするという性質を持っています。

それを見越してプレイヤーは、少しでも多く回る機械を探すわけですが、その目安となるのが釘の調整です。

パチンコは一定の大当たり確率で稼働していますから、千円あたりデジタルが多く回る台であればあるほど勝てる可能性が高くなります。

また大当たり確率と出玉数・営業形態などから、千円あたり何回転すれば収支がプラスになるかという試算もされており、これを業界では「ボーダーライン」と呼んでいたわけです。

つまり、「良く回る機械を探して打ち続ければ収支がプラスになり、負けることなどない」というのが、その道のプロや攻略誌の言い分であり、実際この私もそれを実践してきた人間です。

消滅した「負けがないというロジック」

その結果がどうだったかはさておき、釘調整を看破するということでパチンコというギャンブルは負けが無いという理屈は、実のところとても強力な物でした。こういった理論は、「パチンコがギャンブルではない」と証明する基礎となっていたのです。

負けない釘調整の台を選び、ボーダー以上に回るなら打ち続けるという作業で喰っている人が多かったことも事実です。

このようなことを私のような支援サイドの人間が書くと、不謹慎だとか、認識不足だとか、「けしからん」とか、かなりのバッシングを受けました。今だからこそ書けますが、たとえそれが「曖昧な真実」であろうとも、以前はそういったことを覚悟して書かねばなりませんでした。

ところが今回の規制で釘調整ができなくなり、また同時に大当たり確率を決める設定機能が追加されたということですから、これはもうパチンコの完全ギャンブル化でしょう。ギャンブルとは、勝つことができない遊戯です。

中には「俺は勝ち続けているぜ」という方も居られるかも知れませんが、そういった方にとっては既にギャンブルではないのです。いってみれば今回の規制で、この方法ならば誰でもパチンコに勝てるという、唯一のロジックが消滅したのです。

パチンコの攻略誌など、これからパチンコについて書けることは激減するでしょう。釘の見方というジャンルが無くなり、ボーダーという神話が消滅したわけです。これだけでも、激震が走るように感じます。

今回の風営法改定で、私は心の中でモヤモヤしていた、「パチンコで勝つことは可能か?」という永遠の疑問に終止符を打つことができました。

今、あなたの前でハッキリと申し上げましょう。

パチンコもスロットも、勝つことができないギャンブルですよと。

奥井 隆