なぜ 「時間」は戻ってきたのか?

2・持て余している時間は 犠牲になっていた時間

では、なぜ「あなたには、パチ・スロをしている時間など無かったはずだ」といえるのでしょうか? それは多くの依存症ギャンブラーが、パチ・スロする為の時間を無理矢理作り出してきたからです。

ギャンブルの中でもパチンコとスロットは、お金と同じように莫大な時間を消費するものです。もしもあなたがパチンコとスロットに依存しているならば、どのような手段を講じてでも遊戯するための時間を作って来たはずです。逆にいえば、普通に生活している人は、毎日パチンコ店に通う時間などないのです。

パチ・スロに依存したギャンブラーは、仕事を手抜きし、家族を裏切り、人間関係を切り捨て、そしてウソをついてまでして、ギャンブルするための時間を作り続けているといえます。きっとあなたも、パチ・スロする時間を得るためにいろいろな物を犠牲にしてこられたことでしょう。

これは先の章でも触れましたが、パチ・スロへの依存症ギャンブラーが時間を持て余す理由は、「それまでに膨大な時間をパチ・スロに費やしてきたため、ホールに行かなくなると急にその時間を埋めることができない」からです。

持て余す時間の多くは、本来真面目に仕事や家事をしたり、家族をいたわったり、人間関係を維持したりして、幸せに生きるために必要だったものです。暇は、突然降ってわいてきたのではありません。そもそも必要不可欠だった時間なのです。

つまり、断を始めて間もない方が時間を持て余してしまう理由とは、「まともに生きていくために必要だった時間が戻ってくる」からです。ですから、持て余す時間を無くすための第一歩とは、「あなたが本来すべきこととは何か? きちんと考えてみる」ということになります。

これは重要なことなので、再度書いておきます。

持て余す時間を無くすための第一歩とは、「あなたが本来すべきこととは何か? きちんと考えてみる」ことなのです。

そうすればあなたは、これまでパチスロするために手放した物が、いかに多いか気付かれることでしょう。その次にあなたがすべきことは、それを箇条書きにしてみることです。ここで漠然と考えて実行しようとする方が多いです。ですが、ちゃんと具体的に書き出してください。曖昧なターゲットは、効果を生まないことが多いです。以下、例として、主語「パチ・スロを最優先にした結果・・・」に続く言葉を挙げておきます。

  • やめた趣味
  • 諦めた昇進試験
  • できないままのスキルアップ
  • 無くした読書する時間
  • 放り出した習い事
  • 切り捨てた お付きあい
  • 手伝えない家事
  • 手抜きしている育児
  • 挑戦できない素材からの料理
  • 断ったボランティア
  • 放置している 家や部屋の片付け
  • やれなくなったスポーツ

その上で、切り捨ててきた物をどうすれば元に戻せるか考えてみてください。時間を埋めるために新しい趣味を見つけなさいという人が多いです。ですが、実際のところ趣味という物は一朝一夕に見つかるものではありません。基本は、「あなたが犠牲にしてきたことを 元通りにする」ことだとお考えください。

 ・暇なのは 断の危険信号

SAGSのメンバーから聞く話で、「1ヶ月、3ヶ月、半年、1年と、断を続けていくうちに、持て余す時間がどんどんと減っていく」というものがあります。実際にお会いして思うのは、忙しい方が多いということです。そういった方々の話を更に詳しく聞くと、共通点があることに気付きます。その共通点とは、次の2つです。

  • 断を続けるにつれ 忙しくなった
  • 人間関係に恵まれるようになった

簡単にいうならば、「多くの人に囲まれるようになり 多忙になった」ということです。ではそういった人たちが、何か新しい趣味を始めたとか、サークルなどに加わったのとかといえば、決してそうとはいえません。

「本来すべきことを、ちゃんとすれば時間が足りないくらいだ!」とおっしゃる方が多いです。お付きあいに関していえば、新しい人間関係というよりは、それまで細かった人間関係が太くなったり広がったりしたという方が多いようです。

これは家族関係においても同じことがいえます。分担してみれば分かりますが、家事というものは予想以上に時間かかります。家事を分担すれば、時間が足りなくなって当然です。

別の言い方をすれば、ちゃんと機能している家族関係は、お互いの作業分担に支えられているといえるでしょう。家族にせよお付きあいにせよ人間関係とは、そもそも時間をよく使うものなのです。

もしも断パチを続けるあなたが、「暇だ・・・」などと感じられるのであれば、まだまだ赤信号が点滅していると考えられた方が良いでしょう。順調に断を続けている人ほど、多忙な毎日を送っているのです。(続く)