第6章 パチンコ・スロット依存の特徴

2・生活環境改善と生活習慣改善との違いとは

今回より、いよいよギャンブル依存症克服において最大の難問ともいえる、生活習慣の改善についてのお話です。今回ここで取り上げる生活習慣の改善とは、その殆どがパチ・スロ依存をターゲットとしたものです。これから詳しくお話しさせていただきますが、パチンコとスロットはプレイする時間で投資額が決まるギャンブルなので、特に習慣とは切っても切れない縁があるのです。

さてここでまず最初にお話ししておかねばならないのは、生活環境の改善と生活習慣の改善との違いについてでしょう。これは先に書いたことですが生活環境の改善は「比較的たやすく行うことができ、一度すればそれだけで効果が持続する」ことなのです。これは生活環境改善の特徴ともいえるもので、実行するのに必要なのはちょっとした勇気くらいといえるでしょう。

ところが生活習慣を改善するとなると、そうはいきません。その一番の理由としては、生活習慣の改善が本人のやる気と努力次第だということです。例えば、毎日財布に900円しか入れないという努力をちょっと想像してみてください。よほど強固な意志がないと、なかなか実行できないと思われませんか?

実は生活習慣改善を難しくしている理由は、まだいくつか存在します。継続の難しさもそうでしょう。つまり改善するために、本人が毎日努力し続けねばならないということです。例えば先の例ではこういったものがありました。クレジットカードの信用貸し付け枠を無くしてしまえば、クレカを所持していてもギャンブルするお金を引き出すことができません。

ところがクレカを持ち歩かないようにするというのは、本人が努力して持ち歩かないようにしなければならないのです。こういった努力は日々必要で、持ち歩かないという習慣が身に付くには時間がかかります。

「ギャンブルするためのお金を引き出せないようにする」という共通の目的にもかかわらず、やる方法としては後者の方がなんだか大変そうで気が重いですね・・・。後で詳しくお話ししますが、ことお金についてはできる限り「何らかの方法で、お金のパイプをカットする」必要があるのです。

依存症ギャンブラーについていうならば、「本人の意思」とか「ヤル気」とか、いわゆる心の力というものがあてにできない状況なのです。しかしながら生活習慣の改善は、本人の努力に頼らざるを得ない部分が大きく、しかも継続性が問われることから一層難しいといえるのです。

・金銭管理においては特に

わかりやすいように、具体的な金銭管理のシュミレーションを書いてみましょう。

1. Aさんはギャンブル依存症を克服するために、次のような金銭管理法を考えました。

「毎日、家を出るときは財布の中に千円しか入れないようにします。ただし、大きな買い物があるときに困るので、キャッシュカードは持ち歩きます。クレカは家に置いて出かけるようにします」

2. Bさんは、次のような方法を考えました。

「家族から毎日、千円を受け取って家を出ます。不意の買い物に備えて、私の場合はキャッシュカードは家人に預け、コンビニやスーパーで使える電子マネーカードを持ち歩きます。クレカは持ち歩きますが、信用貸し付け枠を無くしています」

3. Cさんは、次のような方法を考えました。

「私の場合はBさんの方法と殆ど同じなのですが、Bさんの方法にプラスして勝手に借金できないように貸し付け自粛しています。それと妻から受け取るのは、パチンコ店に行けないよう900円にしました」

さて、Aさん、Bさん、Cさん、3人のうち、誰が一番楽に効果的な方法で金銭管理できるでしょうか? その答えは言うまでもないでしょう。

まず最初にギャンブル依存症克服に特化した生活環境の改善を行い、それでも足りない部分について生活習慣を改善するというのが、最も効果があり効率的な金銭管理法なのです。(続く)